コンパクトデザインシティ建設グループ視察報告書

日  時    平成23年7月13日〜15日
視察先    鹿児島市天文館商店街・福岡市承天寺他
視察議員   鈴木和彦 石上顕太郎 栗田裕之 三浦雅司 望月俊明
        (以上コンパクトデザインシティ建設グループメンバー)
        沢入育男 杉山三四郎 近藤光男 遠藤裕孝 亀澤敏之 浅場 武
        牧田博之 早川清文 工藤公彦
@鹿児島市天文館商店街

1)天文館商店街の現状

2007年、商店街の空き店舗率は、全体の4%で有った。商店街の空洞化を防止し、集客力を向上し地域経済の活性化を目指し、2007年に「WE LOVE 天文館協議会」を設立した。その後、郊外型大規模集客施設のイオンが出店し、2008年の空き店舗率は8.2%と急速に上がってしまった。危機感を抱いた協議会は、商店街ばかりか、デパートや飲食店にも呼びかけ、一つのグループにまとめた振興活動をはじめた。「空き店舗は1週間でオープンさせる」という旗印のもとに、年間70回以上このイベントを行った。2008年11月には、最大のイベント「夜神楽」を行い、5000人もの集客を得た。資金は、国や県からの補助金、4400万円を充てた。その後、2009年の空き店舗率は、歯止めが掛かり、8.4%と微減にとどめている。その後の調査では、通行量も増加に転じてきている。

16軒在った映画館街は、現在では1軒も営業しておらず、協議会では、独自のシネコン建設を計画し本年秋に着工の見通しとなった。また、九州新幹線も全線開通し、南の拠点となる鹿児島中央駅地域から、港のウォーターフロント地域まで全体の将来イメージをつくり活性化に努めている。

2)考察

静岡市中心市街地商店街に於いても、近年空き店舗が増加してきている。また、七間町シネマ街の撤退も決まり、鹿児島天文館商店街を参考に、一刻も早く活性化協議会を設立し、デパートや飲食店まで巻き込み活性化に努めなければならないと思う。特に映画館跡地の核施設等の有効利用は、将来の静岡市中心街を決定する重要な諜題であると思う。行政側は、補助金ばかりで無く有識者の提案を提供するなどあらゆる支援策を施していかなければならないと思います。

A福岡市承天寺他

1)博多承天寺・聖一国師と静岡市との関係

福岡市博多では、毎年、博多祇園山笠祭が開催されている。祭の起源は、仁治.二年(1241年)、博多で疫病が流行したため、宋から帰朝した承天寺の開祖・聖一国師(円爾弁円〉が、博多・津中の人々に請われて、彼らの担ぐ施餓鬼棚に乗って疫病封じのため祈祷水(甘露水)をまいたことから来ています。この施餓鬼棚が発展して山笠の形となり今でも「暑い夏が元気に乗り越えられますようにという願いが込められ行われています。聖一国師は、駿河国栃沢の生まれで奈良・東大寺で修行。34歳で入宋し明州や杭州で塗単を学び40歳で帰朝。宋帰りの名僧として知られ、朝廷の実力者だった藤原道家から、京へ上ることを命じられ、京と鎌倉で公家と武士の帰依をうけながら、道家の建てた東福寺の開山になっています。静岡茶の始祖としても知られ、生家の米沢家は今も茶を栽培し、沢の水は茶園で使われているそうです。このように、博多祇園山笠と静岡市は、聖一国師を介して、とても深い関係にあると言えます

2)考察

聖一国師の事は、博多では、ほとんどの市民が知っているにも関わらず、生家の有る静岡市民は、知らない人がほとんどであります。静岡市の基幹産業でもある茶業の始祖である聖一国師について、静岡市民は、もっと知るべきであると思います。静岡市民に知らしめるために.山笠を静岡市で展開するイベントを企画してはいかがでしょうか。

報告者:工藤公彦